ひげっちが好むものごと。

詩歌とボドゲを中心に書きたいことを書きます。

中村佳穂について

 中村佳穂さんという、京都在住のシンガーソングライターがいます。
最近、ひげっちが色んなところで色んな人にお勧めしている方です。

 

nakamurakaho.com

 

 ひげっちがここ10年くらい一番好きなバンドであるGRAPEVINEが今年の3月に対バンしたことで、初めて名前を知ったのですが、どんな方なんだろう?とYouTubeで聴いてみたら、ぶったまげるくらい良かったので、いっぺんにファンになってしまいました。

 

 まずは、私が2019年上半期で一番再生したであろう下記の動画をどうぞ。

 


Kaho Nakamura SING US - Wasureppoi Tenshi / Sono Inochi [live ver]

 

 歌われている2曲とも素晴らしいのですが、特に『そのいのち』の演奏は自分にとって鳥肌モノでした。演奏自体が素晴らしいのはもちろんなのですが、画面越しでもポジティブな空気感がバシバシ伝わってきて、その波動みたいなものの中心にいる中村佳穂さんから目が離せなくなります。歌っているときの彼女は本当にいい顔をしているんですよね。

 

 先日、横浜で行われたGREENROOM FESTIVAL 2019で初めて中村佳穂さんのライブを観ることが出来ました。幸いにもかなり近い距離で観ることが出来たのですが、何というかライブやフェスに通うようになって20年くらい経ちますが、体験したこと無い類いのライブでした。

 

 感覚としては、音楽性は全然違いますが、BRAHMANのライブを始めて観た時に近かったです。BRAHMANTOSHI-LOWさんは、ステージ上で見えない音と必死に闘っているようなステージングをされるのですが、中村佳穂さんのそれは、見えない音とダンスを踊っているようだな、と感じました。

 

 友達に紹介してもらった脇田茜さんの『ライアーバード』という大好きな漫画があるのですが、その主人公のコトちゃんをちょっと連想しました。自分の中に渦巻いているわけの分からないものを吐き出すために音楽をやっているような、音楽をすることで初めて呼吸ができるような、そんな切実さとスリルを感じることの出来るライブでした。

 

www.comic-ryu.jp

 

 こう書くと、まるでライブがヒリヒリしたものだったと思われそうですが、全然そんなことはなく、むしろライブ自体は終始ハッピーなムードに包まれたものでした。中村佳穂さんは歌いながら常にニコニコ客席に笑いかけていましたし、バンドの演奏者も含めて、音を鳴らすのが楽しくてしょうがない、歌を歌うのが楽しくてしょうがない、という人達が真剣に、夢中で、奏でている音楽だと感じました。

 

 「いい演奏をしよう」という気負い衒いも、もちろんあったのでしょうが、驚くほどそういったものを感じさせない、自然体でのびのびとしたステージでした。表現者というのはやはり、自分を表現するときには、これくらい解放されているべき、救われているべきと思いますし、そういう人達の音楽を聴いていると、観ていて嬉しく、気持ちよく、心が洗われるような感覚になるものです。

 

 純粋に『そのいのち』が生で聴けたという嬉しさもあり、大満足なライブでしたし、同じ表現者の端くれとして、「表現者はかくあるべし」というお手本のようなものを見せてもらったライブだったので、きっとまた彼女のライブに足を運ぶことになると思います。

 

 というわけで、中村佳穂さん、超オススメです!

 

 

(了)