ひげっちが好むものごと。

詩歌とボドゲを中心に書きたいことを書きます。

ごいたの戦術メモ② ~勇気を持って「し」を伝える~

どうも、ひげっちです。

 

今回取り上げるのは、先日の都道府県対抗交流能登大会で実際にあった盤面を記憶とペアの方への確認を元に再現したものです。ひどい手を打ってしまった自分にとっての戒めとして記録に残しておきます。

 

それでは、第2回「勇気を持って「し」を伝える」です。まずは盤面をどうぞ。

 

下家①②→相方なし→上家なし→自分の手番

 

点数状況は確か100-120のビハインドだったと記憶しています。下家の一打目の香が回り、2打目の金も相方が受けず、写真のような配駒の自分に回ってきた形です。

 

結果から言うと、私は「金受け角」として、相手側に角を受けられ、そのまま相手側に攻めきられてこの局に負けてしまい、ゲームにも敗北してしまいます。終局後の検討で、「ここは角ではなく「し」を打つべき」と指摘されました。

 

実際の場面で、私も自身が4しなわけですから、「し」を打つことが選択肢に無かったわけではありませんが、「下家がしを残していて受けられてしまい、相手側の香がギャンがかりだったら、30点以上でアガられるのではないか」というマイナス思考に陥り思わず点下げのつもりで角を打ってしまいました。

 

しかし、これは冷静に考えれば明確な悪手であることがわかります。理由としては、この状況では角を打っても点下げにはなるケースが少ないからです。詳細に見ていきましょう。

 

下家の方はベテランのごいた打ちでした。攻め方から考えて、下家の残り4枚に香と金はそれぞれ1枚ずつあったと思われます。残り2枚のバリエーションですが、下記の4ケースに分けて考えます。

  1. 残り2枚に王と角があった場合
    下家の残り4枚が「王角金香」であった場合は、おそらく下家は私の角を受けて、香か金で攻めるでしょう。香で攻めるのがアガリ点が30点以上になるので濃厚でしょうか。こちら側としては大ピンチです。
  2. 残り2枚に角が無く、王があった場合
    下家の残り4枚が「王金馬香」とかであった場合は、おそらく下家は私の角をスルーして相方や上家の様子を窺うはずです。30点以上のアガリのために必要な金と王は温存されたままです。
  3. 残り2枚に王が無く、角があった場合
    下家の残り4枚が「角金馬香」とかであった場合は、おそらく下家は私の角を受けて、香か金で攻めるでしょう。香で攻めて「馬金」待ちとするのが濃厚でしょうか。1.に比べれば多少は点下げになっているかもしれませんが、馬が銀や飛である可能性もあるので、微妙なところです。
  4. 残り2枚に王も角も無かった場合
    下家の残り4枚が「飛金香し」とかであった場合は、残り1枚の角が相方にあるか、上家にあるかで話は多少変わりますが、上家にある場合は角を受けられ、おそらくかかっているであろう金を打たれ、ピンチが続くことが予想されます。

 

ここまで見ると、角打ちが点下げとしての一打としても微妙なものであることがわかってきます。何より重要なのが「運良く角が相方とかかっていて、角が回ったとしても次に打つものに困る」という点です。金受け角が回ったあとの手駒は「銀馬しししし」です。「し」を打つのが怖ければ、銀か馬を打つしかありませんが、攻めが進んでいる相手に対して、種類の違う駒を打ち続けるのは、その分相手の持っている駒に当たるリスクの増加を意味します。

 

角を打つ理由がないとなれば、残る選択肢はし攻めです。下家が3し以上だった場合は依然としてピンチは続きますが、相方に「しが多い」というメッセージは伝わります。この配駒の特徴は「バラバラである」と「しが多い」の2点で、角打ちも一応「バラバラである」というメッセージを送っていますが、劣勢の場合は、より攻め筋の選択に繋がる「しが多い」というメッセージの方が有効である場合も多いです。

 

実際この盤面では、相方も4しで私が「し」を打っていれば、し攻めが決まっていたであろう盤面でした。

 

し攻めにはリスクが伴い、時には始めるのに勇気が必要な場面もありますが、「相手に「し」が残っていたらしゃーない」くらいの腹の括り方でピンチをチャンスに変えていけるような打ち方を身に着けたいものです。

 

 

ではまた。

 

 

(了)