ひげっちが好むものごと。

詩歌とボドゲを中心に書きたいことを書きます。

五行歌について(基礎編)

ひげっちは趣味で「五行歌」というものを書いています。

 

五行歌つながりではない、初対面の人にこのことを伝えるとほぼ全ての人が「?」という顔をされるので、ブログを始めたこの機会に一度、五行歌について長めの紹介を書いてみたいと思います。

 

ちなみに、今年で五行歌は創立25周年の年を迎えます。

5gyohka.com

 

そんな宣伝も挟みつつ、五行歌を紹介していきます。

ご興味のあるところだけでも読んでいただければ嬉しいです。

 

 

 

五行歌とは?

 

では、最初に基本のキホンから。

 

五行歌とは、一言で言えば「五行で書く短詩」です。
短歌でしたら、いわゆる5・7・5・7・7という文字数の制限がありますが、
五行歌は基本的には五行で書かれていれば、文字数や内容の制約はありません。

 

正確に言うと、目安となる決まりのようなものもありますが、そちらの説明は「五行歌の会」公式ホームページに譲るとして、とにかく五行歌は、自由で、書きやすく、完成しやすい詩型であると覚えていただければ、だいたいOKだと思います。

 

私の考える五行歌の魅力

 

では、五行歌にはどんな魅力があるのか?という点ですが、これは私もまだ五行歌を始めて2年ちょっと駆け出しのひよっこであることを承知いただいた上での主張になりますが、下記の4点だと思います。

 

  1. 制約が少なく、色々な表現が可能であること。
  2. コミュニティが比較的小規模であり、憧れの人に容易に会えること。
  3. 五行歌界全体に自由闊達な雰囲気があり、価値観の矯正や押し付けが無いこと。
  4. 日頃思っていること、心の内に溜めていることを表現として昇華することにより、心理的にも良い影響があるように感じられること。

 

この中で、4.はちょっと「※個人の感想です」という但し書きが必要かもしれないですが、前半3つは五行歌をやっている人なら概ね同意していただけるのではないかと思います。

 

五行歌用語の解説

 

では、次に五行歌やっている人達がよく使う業界用語のようなものを解説します。
コレさえ覚えておけば、アナタも今日から五行歌人!

  • 歌会(うたかい/かかい)/五行歌会(ごぎょうかかい)
    参加者が決められた日に集い、自分の書いた五行歌を持ち寄り、点数を入れ合ったり、コメントを言い合ったりする会のことを言います。開催頻度は歌会ごとに違いますが、月に1回の開催が一般的です。

  • 歌人(うたびと/かじん)/五行歌人(ごぎょうかじん)
    広義では「五行歌を書いてるすべての人」を指すと言うこともできますが、個人的には「歌会、雑誌、新聞、SNSなどの何らかの形で自分の作った五行歌を発表している人」という定義が適切だと思っています。明確な定義があるわけではありません。

  • 本部(ほんぶ)/事務局(じむきょく)
    東京都新宿区市谷田町にある「五行歌の会」のことを指します。余談ですが、私は本部行くことを勝手に「聖地巡礼」と呼んでいます。初めて本部に行ったときはドキドキしました。

  • 本誌(ほんし)/会誌(かいし)
    本部から毎月初めに発行されている、月刊雑誌『五行歌』のことを指します。日本で一番発行部数の多い五行歌専門の月刊雑誌で、発行部数は約1000部です。400ページ近いボリュームがあり、一冊あたり約350名による約2000首が掲載されています。私も毎月投稿しています。

  • 自由詠(じゆうえい)
    歌会やコンクールの際に特にテーマが決められておらず、自由なテーマで歌を作ることを指します。要するにフリースタイルですね。(⇔題詠)

  • 題詠(だいえい)
    自由詠に対して、あらかじめ決められたテーマや文字があり、それに即した歌を作ることを指します。(⇔自由詠)

  • 即詠(そくえい)
    歌会等で前もって準備した歌を出すのではなく、その場で歌を作ることを指します。

  • 吟行(ぎんこう)
    事前にグループで観光や散策を行い、そこで体験したものをもとに即詠で歌会をすること。

 

五行歌会について

 

多くの五行歌人の活動の基盤となるのが五行歌会です。
日本全国各地に約120前後の五行歌会が存在します。

開催場所は、公民館や区民センター等で行われることが多いです。
たまにカフェ等で行われる五行歌会もあります。

日時は、私が参加しているのは土日昼間の五行歌会が中心ですが、五行歌の会の会員は60~70代が中心であるため、平日昼間の会も多いです。時間は一回3時間程度です。

会費は、1000~1500円程度が一般的です。

 

五行歌会には色々な形式がありますが、多くの会では以下のような流れになります。

  1. 事前に五行歌会の事務局に未発表の五行歌1首を提出。
  2. 五行歌会当日に事務局が参加者の五行歌が書かれたプリントを用意。
  3. プリントは無記名で誰がどの歌の作者かわからないようになっている。
  4. その状態で、参加者は指定された数の歌に、指定された持ち点を割り振って点を入れる。
  5. プリントの歌を1首ずつ取り上げ、まず歌に点を入れた人がコメントを言い、最後に作者自身がコメントを言う。
  6. 5.を繰り返し、得点の多く集まった歌を表彰。

とまあ、だいたいこんな感じです。

割とゲーム性もあるので、結構参加してる間はドキドキします。
自分の歌に他の人が意外なコメントをしてくれたり、自分の読み込みが作者の意図とまるで違ったりと、新たな発見もあったりします。

一席(その五行歌会に出した歌がその日一番の点を集めた状態)になると、やっぱり嬉しいもんです(笑)

 

五行歌会には、明文化されてはいないものの「暗黙のルール」があります。
「マナー」と言い換えた方がいいかもしれません。主に以下のようなものです。

  • 自分の歌には点を入れない
    ・自分の歌が自分で好きなのは当たり前
    ・他の人の作品に目を向けよう

  • 他人の歌を腐さない
    ・なるべく他人の歌の良いところを探す
    ・前向きな批判ならOK

  • 歌会の評価は20%
    ・歌会は「歌の一般性テスト」
    順位ばかり気にしてもつまらない

というわけで、ざっと駆け足になりましたが、
五行歌についての基礎的情報をお届けしました。


もし、五行歌に興味をお持ちになったり、五行歌会に参加してみたい!と
思われた際にはいつでもお気軽にご相談ください!

 

オススメの五行歌人や歌集なども別の機会にご紹介させていただければと思います。