ひげっちが好むものごと。

詩歌とボドゲを中心に書きたいことを書きます。

2021年自分的ベストコンテンツ

どうも、ひげっちです。

 

2021年もあとちょっとなので、

毎年恒例の自分的ベストコンテンツを書き記しておきます。

 

音楽・曲

マヨイガ/羊文学


www.youtube.com

 2021年も2020年に引き続き、新型コロナウイルスの影響が大きかった一年だった。先の見えない陰鬱な気分になることが多かったように思うが、今年は7月に発表されたこの曲に「救われた」という感覚が強い。本当に何度もリピートして聴いていたし、無謀にもカラオケでも歌ったりもした。サビのところはキーが高くて歌えなかったが。

 

 羊文学は数年前から好きでよく聴いていたバンドの一つだが、最近の作品はどんどん多くの人に開かれた表現になってきているようで、頼もしい。この曲も『岬のマヨイガ』というアニメ映画の主題歌としてタイアップされたもの。静かで優しい曲調が心地よいし、崇高かつ包容力のある歌詞は不器用で未熟な存在をそっと見守って肯定してくれるような温かみを持つ。おそらく今後も自分の中で2021年といえば、この曲を思い出すことになると感じたので選ばせていただいた。

 

音楽・アルバム

RIGHT TIME/butaji

 今年はベストのアルバムを選ぶのにかなり悩んだ。ハナレグミ『発光帯』、折坂悠太『心理』、ROTH BART BARON『無限のHAKU』といったアルバムもかなり聴いていたが、一番まっすぐ胸に響いた作品という点で、このアルバムを選ばせていただいた。

 

 butajiさんのお名前は2020年1月ごろにTwitter上で折坂悠太さんがbutajiさんの『中央線』という曲を紹介していたのを見たのがきっかけで知った。その後、折坂悠太さんとの共作『トーチ』や、ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の主題歌『Presence』を手がけたことからも注目を浴びているシンガーソングライターだ。

 

 アルバムの中でもSTUTSさんをフィーチャリングしている『YOU NEVER KNOW』と『I'm here』が特に好きだ。軽やかでカラッとしたビートとbutajiさんの温かみのある声質がうまくマッチしていると思う。特に、『I'm here』の以下の歌詞には泣きそうになるくらいグッときてしまった。

 

きっと聴かないでしょう 君は僕の歌を

だから辞めたり 始めたりして

続けることで僕が僕を知れる

伝えることでここにいれる

 

I'm here/butaji

 

 

映画

14歳の栞/竹林亮監督

14-shiori.com

 今年は例年より多くの映画を劇場で観ることができた。そんな中で、一番心に残っているのがこの作品。埼玉県にある実在の中学校2年のクラスの3学期の間、生徒35人全員に密着し、作られた映画だ。

 

 生徒のキャラクターはさまざま。かっこいい生徒も居れば、おとなしい生徒も居れば、恋する乙女も居れば、ハンディキャップを持っている生徒や登校拒否の生徒も居る。観ているうちに、ついつい自分の中学時代を重ねて、クラス内での立ち位置が当時の自分に近かった生徒に感情移入してしまうが、彼もまたクラス内でも映画内でも1/35の存在でしかない。

 

 私は中学時代、心底生きるのがしんどかった。深刻ないじめに遭ったり、登校拒否になったりしたわけではないが、とにかく自分自身をうまくコントロールできずに、自分に対しても周囲に対してもイライラしているところがあった。こんな自分は大人になってもきっとひとつも楽しい事なんて無いんだろうと思っていた。

 

 そんな私がこの映画を観たことで、ハッと気付かされる感覚があった。自分が中学時代に抱えていたモヤモヤやイライラは自分にとってはとても大きなものと感じていたけど、先生や周囲の大人達から見ればごく些細なありふれたものだったに違いない。私自身も1/35のよくある拗らせた14歳でしかなかったのだと。しかも時間が過ぎるのは早く、1年経てばまた次の35人がクラスにやってくる。この映画を観ることで私はしんどかった自分の中学生時代を少し相対化できた気がするのだ。

 

来年もたくさんの大好きなものと出会えますように!

 

 

(了)